やがて、ちせとの新しい生活が始まる。

 それでもまたいつか、離れ離れにならざるを得ない環境になった時は、ちゃんと考えている。最終的にそう有りたいから、これからもちせとの時間をあたたく大事にしたい。

 不動産屋のスタッフが運転する車の後部座席で、ちせが俺に笑いかける。

「青鷹君、ワクワクする。素敵な所だったら良いね」

 ちせが笑ってる姿が好き。


“から回って失敗しても、十分巻き返せるよ”


 いつか聞いた、スズナの声が蘇る。

 本当だった。



 ちせの手をギュッと握って感じた未来は、どこまでも青く澄んでいた。











─完─