「はい、いいよー。いってらっしゃーい」

 真横のフロントでは、ちせの明るく大きな声が聞こえる。

「うん、大丈夫。ちゃんとなってるよー」

 次の授業を受けるため、スクールバス利用の子たちが一気に中に入って来て、入館歴を残すためにカードを機械に翳している。

 フロントには三名、ちせの他に午後から出勤のパートさんが二人いる。

 一人の男性が子供たちのランドセルをせっせと床に並べていて、もう一人の女性はワタワタしながら生徒の母親の対応をしていた。