side美麗



「あんな顔の美麗は、俺でも見たことなかった」(遥樹)


  ー私達が部屋を出てこんな話をしているこ
   とを私達は知りもしなかった。

 空翔と向かったのは、病院。

「美麗、待ってたよ」(綾花)

 病院の入口の隅っこに私の姉、星野綾花が立っていた。姉の声は久しぶりに聞いた。
 透き通るような、独特な声。

「まず、私の診察室に行こうか」(綾花)
「うん」

   姉と空翔と一緒に姉の診察に来た。

「美麗と空翔くん入って」(綾花)

  少し、緊張する。