アンハッピー・ウエディング〜後編〜

今年は、寿々花さんと二人だけだから。

自分で餅つきをするか、それとも手抜きをして、スーパーか何処かで市販のお餅を買ってくれば良いか、と思っていたが。

母さんがわざわざ送ってくれて、助かった。

お陰で、買いに行く手間、自分で作る手間が省けたよ。

この間の干し柿と言い、このお餅と言い。

めっちゃお礼言っとこう。後で。

「凄いねー。悠理君は何でも自分で作っちゃって、しかもそれが何でも美味しくて、凄いなぁっていつも思ってたけど…」

「それは褒め過ぎだ。凝り性の人は、もっとちゃんとやってるよ」

俺のは全部、中途半端に齧った程度だから。

「悠理君のお母さんもそうなんだね。お母さん譲りなんだー」

「まぁ…そうかもな。糠漬けも干し柿も、全部母の受け売りみたいなもんだし…」

「親子で受け継がれる味…。やっぱり、何だか凄いねー」

…そんな大層なもんじゃないって。

さて、それはともかく。

「折角、つきたてのお餅を送ってくれたんだし…。早速食べようか」

「え、良いの?まだ年、明けてないよ?」

「いつ食べても良いじゃん。たくさんあるんだし」

さすがにおせちやお雑煮を食べるのは、フライングが過ぎるけど。

餅くらいなら良いだろ?

さて、どうやって食べようか。

我が家では、シンプルに砂糖醤油をつけ、海苔を巻いて食べるのが定番だったが。

きなこを振り掛けて、きなこ餅にしても良し。

大根おろしをかけても美味しいよな。

でも、今日は…。

「…よし、決めた。寿々花さん、ちょっと待っててくれ」

「うん」

寿々花さんは、こくり、頷いた。

じゃあ、早速キッチンに行って…作ってくるとするかな。