…しかし。
そのことに気づいたのは、住所と宛て名を全部書き終えてからだった。
「よし、こっちは終わり…。…寿々花さん、どうだ?進んでるか?」
「うん。書いてるよー」
寿々花さんは、さらさらとサインペンを動かしていた。
何だか、えらく流暢に筆が動いてるが…。
どれどれ、とばかりに寿々花さんの手元を覗き込んでみると。
えーと?『I wish you a happy New Year.How have you…』以下略。
…うん。
「…何で英語で書いてんのっ!?」
「えっ。駄目だった?」
寿々花さん、びっくり。
いや、俺もびっくりだよ。
既に書き終えた年賀状を見てみると、めちゃくちゃ達筆な筆記体で、全部英文で書かれていた。
マジで?ぱっと見日本語訳分からんけど、さっき俺がリクエストした挨拶、全部英訳して書いてんの?
どんだけお洒落な年賀状だよ。
住所と宛て名は、普通に下手くそな字を書いてんのに。
メッセージの部分だけが、こんなに達筆な英文とは。なんというアンバランス。
この一年の間に、俺に何かあったんじゃないかと心配されそう。
何かに目覚めたんじゃないかと。いや、何にも目覚めてないです。至って普通です。
そんな、たった一年で突然インテリ化するはずもなく。
つーか、俺を昔から知ってる人は、俺がこんなお洒落な英語を書ける訳がないってことをよくよく分かっているだろうから。
別の人に代筆を頼んだって、すぐにバレそう。
「何で英語で書いた…?」
「…えっ…。フランス語の方が良かった…?」
違う。そうじゃない。
ここ日本だから。年賀状って日本の文化だから。普通に日本語でOK。
海外にも年賀状を送り合う文化ってあるのだろうか。知らないけど。
新年よりも、クリスマスに重きを置いて祝ってるようなイメージがある。
英語でもフランス語でも、辞書も使わずにすらすら書けるなんて、相変わらず凄い頭良いな。
それなのに、年賀状の存在は知らないんだから、知識の偏りが激しい。
…さて。この年賀状をどうしたものか。
「もしかして…これ、駄目だった…?」
寿々花さんは困ったような戸惑ったような顔で、不安そうに俺の顔を覗き込んだ。
「いや…。駄目ってことはないけど…」
ただ…何だろう。うん。
物凄くお洒落な年賀状になったな。
こんな気取った年賀状を送る趣味はないので、出来れば書き直したいところだったが…。
改めて今から買ってくるのも面倒だし、お金がかかるし、書き直すのも大変だし。
…いっか。このまま送ろう。
お洒落に高校デビューしてみましたってことで。
大丈夫大丈夫。誰も俺の年賀状なんて、じろじろ見ないよ。多分。
「私、また変なことしちゃった?悠理君怒ってる?」
怒られるかもしれない、とびくびく聞いてくる寿々花さん。
「え?いや、別に…怒ってないけど…」
日本語で書いてくれ、と言わなかった俺が悪い。
…いや、まさか英語で書くとは誰も思わないだろ。ここ日本だぞ?
寿々花さんにだって悪気があった訳じゃないし、誰が悪いということも…。
「ごめんね、悠理君…」
寿々花さんは、しょぼーん、と落ち込みながら謝ってきた。
…そんな、改まって謝られると、むしろそっちの方が困るんだが?
そのことに気づいたのは、住所と宛て名を全部書き終えてからだった。
「よし、こっちは終わり…。…寿々花さん、どうだ?進んでるか?」
「うん。書いてるよー」
寿々花さんは、さらさらとサインペンを動かしていた。
何だか、えらく流暢に筆が動いてるが…。
どれどれ、とばかりに寿々花さんの手元を覗き込んでみると。
えーと?『I wish you a happy New Year.How have you…』以下略。
…うん。
「…何で英語で書いてんのっ!?」
「えっ。駄目だった?」
寿々花さん、びっくり。
いや、俺もびっくりだよ。
既に書き終えた年賀状を見てみると、めちゃくちゃ達筆な筆記体で、全部英文で書かれていた。
マジで?ぱっと見日本語訳分からんけど、さっき俺がリクエストした挨拶、全部英訳して書いてんの?
どんだけお洒落な年賀状だよ。
住所と宛て名は、普通に下手くそな字を書いてんのに。
メッセージの部分だけが、こんなに達筆な英文とは。なんというアンバランス。
この一年の間に、俺に何かあったんじゃないかと心配されそう。
何かに目覚めたんじゃないかと。いや、何にも目覚めてないです。至って普通です。
そんな、たった一年で突然インテリ化するはずもなく。
つーか、俺を昔から知ってる人は、俺がこんなお洒落な英語を書ける訳がないってことをよくよく分かっているだろうから。
別の人に代筆を頼んだって、すぐにバレそう。
「何で英語で書いた…?」
「…えっ…。フランス語の方が良かった…?」
違う。そうじゃない。
ここ日本だから。年賀状って日本の文化だから。普通に日本語でOK。
海外にも年賀状を送り合う文化ってあるのだろうか。知らないけど。
新年よりも、クリスマスに重きを置いて祝ってるようなイメージがある。
英語でもフランス語でも、辞書も使わずにすらすら書けるなんて、相変わらず凄い頭良いな。
それなのに、年賀状の存在は知らないんだから、知識の偏りが激しい。
…さて。この年賀状をどうしたものか。
「もしかして…これ、駄目だった…?」
寿々花さんは困ったような戸惑ったような顔で、不安そうに俺の顔を覗き込んだ。
「いや…。駄目ってことはないけど…」
ただ…何だろう。うん。
物凄くお洒落な年賀状になったな。
こんな気取った年賀状を送る趣味はないので、出来れば書き直したいところだったが…。
改めて今から買ってくるのも面倒だし、お金がかかるし、書き直すのも大変だし。
…いっか。このまま送ろう。
お洒落に高校デビューしてみましたってことで。
大丈夫大丈夫。誰も俺の年賀状なんて、じろじろ見ないよ。多分。
「私、また変なことしちゃった?悠理君怒ってる?」
怒られるかもしれない、とびくびく聞いてくる寿々花さん。
「え?いや、別に…怒ってないけど…」
日本語で書いてくれ、と言わなかった俺が悪い。
…いや、まさか英語で書くとは誰も思わないだろ。ここ日本だぞ?
寿々花さんにだって悪気があった訳じゃないし、誰が悪いということも…。
「ごめんね、悠理君…」
寿々花さんは、しょぼーん、と落ち込みながら謝ってきた。
…そんな、改まって謝られると、むしろそっちの方が困るんだが?


