アンハッピー・ウエディング〜後編〜

「強いて言うなら…寿々花さんかな」

「ほぇっ?」

あ、ごめん驚かせたみたいで…。

でも、それ以外に何も思いつかなかった。

「だって、飽きないだろ?」

白米みたいなもんだよ。

毎日食べてても飽きない。いつまででも食べていられる。

それと同じで、寿々花さんも全然飽きない。

一緒に暮らして半年以上経つのに、未だに色んなことで驚かせてくれるしな。

個人的に一番凄いと思ったのは、四つ葉のクローバー探しが天才的、というところだな。

うん。あれが一番びっくりした。

しかし、何より驚くべきなのは。

恐らく寿々花さんは、それ以外にもこれからたくさん、俺を驚かせてくれるだろう秘密を隠しているはずだ、ということだな。

絶対まだあるぞ。隠し玉が。

「…飽きない?そう?」

「あぁ。全然飽きない」

「そっかー…。私も悠理君と一緒に暮らすの、全然飽きないよ。毎日凄く楽しいの。悠理君のお陰だね」

「そうか」

そう言ってもらえるとは。光栄だな。

「悠理君も飽きない…ってことは、私が悠理君のこと大好きなように、悠理君も私のこと気に入ってくれたってことかな」

…へ?

「良かった。嬉しいなー。ありがとう、悠理君」

「え?あぁ、うん…」

…うん?

なんか、話がおかしな方向に向かっているような…。

「あ、見て見て。あっち、キラキラしてるよ。きっと、そう…おるたみねーしょん?って奴だ」

「…イルミネーション、だろ…」

ちょっと格好良い技名みたいに言うな。

いや待て、そうじゃなくて、その前。

なんか、俺の言葉を都合良く解釈していないか?

「行ってみよ、悠理君」

「…そうだな…」

言いたいことは色々あったが。

寿々花さん、心なしか嬉しそうだし。

もう、好きなように思わせておくことにした。