二人がカラオケに誘ってくれたお陰で、良い気晴らしになった。

シュークリームも美味しかったし。

でも。

寿々花さんにもお土産、買って帰ってあげたいな…と、無意識にまた、余計なことを考えている自分に気づき。

必死で気を逸らそうとしたけど、やっぱり無理なものは無理。

雛堂達と騒がしく過ごしたものだから、家に帰った時、静まり返った部屋の中が余計殺風景に見えた。

…誰も居ないと、家の中ってこんなに静かだったんだな。

確かに、誰にも気兼ねせずに過ごせるのは良いかもしれないけど…。

…。

…今頃寿々花さん、何やってんだろうなぁ。

…なんて、また寿々花さんのこと考えてるし…。

馬鹿みたいだ。

向こうはきっと、俺のことなんて忘れるくらい、夢中でイタリア旅行を楽しんでるんだろうに。

俺だけ必死に、寿々花さんのことを考えてるなんて…本当、馬鹿みたいだ。