アンハッピー・ウエディング〜後編〜

さっきの金髪チャラ男が、逆恨みしてまた戻ってきたら…と心配で、しばらくその場に残っていたのだが。

幸い、あいつが戻ってくる様子はなく。

更に念の為、監視役の如く、男の先生が付近を巡回してくれることになった。

これなら安心だな。

つーか、最初からそうしてくれ。

か弱い(笑)お嬢様方の集まりなんだから、ちゃんと手厚く守ってやってくれよ。

いっそ、さっきのめっちゃ強そうな青年雇おうぜ。

俺よりよっぽど強かったじゃん。

しかしあの人、さっきは頭に血が上ってたから気が付かなかったが。

何処かで見たことがある…ような?ない、ような…。

…まぁいっか。先生が見てくれてるなら大丈夫だろ。

だが、寿々花さんにもきちんと自覚を持ってもらわなければならない。

今度また、さっきのチャラ男みたいな奴に絡まれた時、自分から毅然として追い払ってくれたら、それに越したことはない。

「良いか、寿々花さん。気をつけるんだぞ。さっきのチャラ男みたいな奴に絡まれたら、毅然として追い返すんだぞ。セールスと同じだ。相手にしたら付け上がるからな。こういうのはきっぱり断って…」

「さっきの悠理君、すっごく格好良かった」

俺の話、真面目に聞いてる?

そういうところだよ。あんたが人に付け入られるのは。

さっき痛い目(?)に遭ったのに、まだ分かっていないようだな…?

こうなったら、ここいらでガツンと一回強めに叱っておこう…と、思ったが。

「悠理君、まるでお伽噺の王子様みたいだったー」

「…」

小さい子供が、ヒーローショーでも見たかのような、キラッキラした顔で。

「ありがとう、悠理君。助けてくれて嬉しかった」

曇りなき瞳で、そんなことを言うもんだから。

…もう怒る気も失せるよ。

…はー…。

こうやって毎回、寿々花さんに上手いこと丸め込まれてる気がする…。

…分かったよ。降参するよ、俺が。

「…俺ら、そろそろ旧校舎に帰るから…。気をつけてくれよ、この後」

「うん、分かったー」

本当に分かってんだろうな?

出来ればこのまま、何なら一日中寿々花さんを見張っていたいのが本心だが。

さすがにそうも言ってられないから、帰るよ。

まぁ、先生が巡回してくれてるなら大丈夫だろう。多分。

それでもまだ寿々花さんに絡む輩がいたら、その時は、さっきのめちゃ強青年を呼び出して撃退してもらうよ。…冗談だけど。