客席をうろうろと忙しく動き回る寿々花さんを眺めながら。
俺は、ゆっくりとオムライスを平らげた。
凄く美味しい…って訳じゃないが、食べられないほどじゃないし。
しかし、雛堂の方は。
「まずっ…。悠理兄さんのこだわりカレーを食べた後じゃ、レトルトのカレーなんて食えたもんじゃねーな」
ぶつぶつと文句を言いながら、あまりスプーンが進まない様子。
「糠漬けもついてねーしよ…」
「…普通、カレーに糠漬けはついてないだろ…」
『HoShi壱番屋』だけだろ。そんな奇妙な付け合わせがついてるのは。
あと、最近のレトルトカレーは美味しいぞ。文句を言わずに食べろ。
「偉ぶってるけど、新校舎の生徒達も大したことねーな。料理の腕前なら、悠理兄さんの方が遥かに上だべ?」
「それは言い過ぎだっての…。俺のはあくまで家庭料理であって、お洒落な料理を作らせたら…あ」
「あ?」
その時だった。
俺の視線の先で、寿々花さんがお客さんの一人とぶつかった。
これまた大学生くらいの、金髪のチャラ男と。
「おいおい。メイドさん、何処見て歩いてんだ?」
口を尖らせる金髪チャラ男。
ぶつかったって言うか…あんたの方からぶつかっていかなかったか?
見てたぞ。俺。
すると案の定、寿々花さんも。
「今、そっちからぶつかって…」
と言って、当然抗弁しようとしたが。
「お客様に、ご主人様にぶつかっておいて、俺のせいにするのか?」
何だ、このチャラ男。
非常にムカつく。
これはあれか。…いかにもなシチュエーションなのか?そうなのか?
だから、言わんこっちゃないって…。
「相応の詫びを入れてもらわないとなぁ。ちょっと表まで来てもらおうか?」
あろうことか、チャラ男は寿々花さんの手首を無遠慮に掴んだ。
寿々花さんがびくっ、と身体を震わせるのを見て、俺はそれ以上見ていられなくなった。
「あ、あの、お客様。そういうことはちょっと…」
寿々花さんのクラスメイト、一部始終を見ていた別の女子生徒が、寿々花さんを助けようとしたが。
「あ?何だよ。何か文句でもあるのか?」
「っ…」
生粋のお嬢様揃いの女子生徒達は、このようなトラブルには当然、慣れていない。
チャラ男に凄まれて、それ以上何も言い返せずに黙ってしまった。
「来いよ。向こうで話そうぜ」
「え、嫌、手を離し…」
と、寿々花さんが言いかけたその時。
俺は、寿々花さんの手首を掴むチャラ男の手首をガッチリと掴んだ。
…悪いな。
これ以上見ていられないから、乱入させてもらうぞ。
「あーあ…。悠理兄さん、やっちゃったかー…」
雛堂が何やら呟いていたが、やはり当然、俺の耳には聞こえていなかった。
俺は、ゆっくりとオムライスを平らげた。
凄く美味しい…って訳じゃないが、食べられないほどじゃないし。
しかし、雛堂の方は。
「まずっ…。悠理兄さんのこだわりカレーを食べた後じゃ、レトルトのカレーなんて食えたもんじゃねーな」
ぶつぶつと文句を言いながら、あまりスプーンが進まない様子。
「糠漬けもついてねーしよ…」
「…普通、カレーに糠漬けはついてないだろ…」
『HoShi壱番屋』だけだろ。そんな奇妙な付け合わせがついてるのは。
あと、最近のレトルトカレーは美味しいぞ。文句を言わずに食べろ。
「偉ぶってるけど、新校舎の生徒達も大したことねーな。料理の腕前なら、悠理兄さんの方が遥かに上だべ?」
「それは言い過ぎだっての…。俺のはあくまで家庭料理であって、お洒落な料理を作らせたら…あ」
「あ?」
その時だった。
俺の視線の先で、寿々花さんがお客さんの一人とぶつかった。
これまた大学生くらいの、金髪のチャラ男と。
「おいおい。メイドさん、何処見て歩いてんだ?」
口を尖らせる金髪チャラ男。
ぶつかったって言うか…あんたの方からぶつかっていかなかったか?
見てたぞ。俺。
すると案の定、寿々花さんも。
「今、そっちからぶつかって…」
と言って、当然抗弁しようとしたが。
「お客様に、ご主人様にぶつかっておいて、俺のせいにするのか?」
何だ、このチャラ男。
非常にムカつく。
これはあれか。…いかにもなシチュエーションなのか?そうなのか?
だから、言わんこっちゃないって…。
「相応の詫びを入れてもらわないとなぁ。ちょっと表まで来てもらおうか?」
あろうことか、チャラ男は寿々花さんの手首を無遠慮に掴んだ。
寿々花さんがびくっ、と身体を震わせるのを見て、俺はそれ以上見ていられなくなった。
「あ、あの、お客様。そういうことはちょっと…」
寿々花さんのクラスメイト、一部始終を見ていた別の女子生徒が、寿々花さんを助けようとしたが。
「あ?何だよ。何か文句でもあるのか?」
「っ…」
生粋のお嬢様揃いの女子生徒達は、このようなトラブルには当然、慣れていない。
チャラ男に凄まれて、それ以上何も言い返せずに黙ってしまった。
「来いよ。向こうで話そうぜ」
「え、嫌、手を離し…」
と、寿々花さんが言いかけたその時。
俺は、寿々花さんの手首を掴むチャラ男の手首をガッチリと掴んだ。
…悪いな。
これ以上見ていられないから、乱入させてもらうぞ。
「あーあ…。悠理兄さん、やっちゃったかー…」
雛堂が何やら呟いていたが、やはり当然、俺の耳には聞こえていなかった。


