アンハッピー・ウエディング〜後編〜

…マジ?

選択肢は色々あるけど、まさかよりによってヤンキーイケメンを選ぶとは。

「…寿々花さんって、そういう趣味だっけ?」

「ふぇ?趣味?」

「いや…。ヤンキーっぽい男が好みなのかなって…」

もしそうだとしても、俺はああはなれんぞ。

申し訳ないけども。

耳にはゴツいピアス、胸元にはシルバーのネックレスを光らせ。

首元に、イキなタトゥーまで入れてある。

まさに、典型的なヤンキーって感じ。

バイクとか乗ってそう。高校生の癖に。

俺はああいうヤンキーにはなれないし、ヤンキーと友人にもなれそうにない。

しかし。

「別にそういう訳じゃないけど…」

と、寿々花さん。

良かった。ヤンキーが好きな訳ではないらしい。

「でも、こいつを選んだからには理由があるんだろ?」

「一番、顔が悠理君に似てるかなーと思って」

成程、俺のアドバイス通り、見た目の印象で選んだ訳ね。

…え?こいつ、俺に似てるか?

「何処が似てるんだよ…?…似てるか?」

「似てるよ。ぶっきらぼうだけど優しそうなところとか」

「そうか…?」

ヤンキーに似ていると言われても、全然嬉しくないんだが…。

ま、いっか…。見た目で決めれば良いって言ったの、俺だからな。

所詮はゲームなんだし、気楽にプレイすれば良い。

やっぱりヤンキーは性に合わないと思えば、別のキャラに鞍替えしても良いんだし。

…しかし、この人と付き合おうと思ったけど、やっぱり気に入らないから別の人に鞍替え、なんて。

リアルじゃ下衆過ぎて絶対出来ないことを、平気で出来るのがゲームの良いところだよな。

…まぁ、良いや。何でも。

理由や動機はどうあれ、寿々花さんがこの、ヤンキー風イケメンを攻略したいって言うんだから。

俺はそれを、横でサポートするよ。

ヤンキーでもない、恋愛経験もゼロの俺に、攻略の手伝いが務まるのかどうかは怪しいけどな。

ま、所詮ゲームなんだから。気楽に行こうぜ。