アンハッピー・ウエディング〜後編〜

気になることはあるが、気を取り直して。

人生初の乙女ゲー、開始。

イケメンが次々と画面に出てきて、誰得だよって感じだが。

…しかし寿々花さんは、どのイケメンが好みなんだろうな?

乙女ゲームってことは、好きな男を攻略して、最終的に結婚?付き合う?のがゴールなんだろう?

一般的に結婚することをゴールインだとみなすが、俺はあの言い方、間違ってると思うけどな。

ゴールインどころか、そこからスタートだろ?

俺と寿々花さんがそうだから、よく分かる。

フィアンセとして一緒に暮らして、世間一般的には俺と寿々花さんは「ゴールイン」状態だけど。

俺達の場合、その状態から全てがスタートした訳で。

好き合って結婚した仲だとしても、いざ結婚生活がスタートしてみたら、お互いの短所が目立って衝突。

結局価値観が合わずに離婚、なんてことも有り得る訳で…。

幸せなことばっかじゃないだろ?結婚なんて。

だから、結婚することをゴールインだとみなすのは間違い…だと、俺は思うのだが…。

…って、俺のそんな捻くれた恋愛観はどうでも良いんだよ。

あくまでこれ、ゲームだから。おとぎ話の終わりは、「お姫様と王子様はいつまでも幸せに暮らしました」だと、相場は決まってるだろう?

「…寿々花さんってさ」

「なーに?」

「どんなタイプが好きなんだ?」

大変聞きづらい質問だが。

これを聞かないことには、寿々花さんが誰を攻略するつもりなのか分からない。

成り行きで、行き当たりばったりなプレイをするよりは。

「この人を攻略しよう」ってあらかじめ決めて、そういう立ち回りを心掛けた方がやりやすいだろう?

出てくる登場人物全員に八方美人してたら、最終的に誰とも付き合えずに終わりそう。

現実でも、八方美人は良くないってことだな。

見たところ、このゲームに出てくる攻略対象は6人。

まず、最初に主人公に向かって「運命の赤い糸が〜」とかいうクサい台詞を吐いていた、幼馴染爽やかイケメン。

二人目は、ツンデレ年下イケメン。

三人目は、金髪のチャラ男イケメン。

四人目は、クール系ヤンキー風イケメン。

五人目は、メガネをかけたインテリ系イケメン。

最後の六人目が、ちょっと円城寺に似ている金持ちお坊ちゃんイケメン。

以上の6人のうちから、好きなイケメンを選んで攻略するらしい。

…よりどりみどりだな。

果たして、この中から寿々花さんが選ぶイケメンは…?

…誰でも良いよ。お坊ちゃんイケメン以外なら、誰でも。

お坊ちゃんは、円城寺を思い出してムカつくから。それ以外で頼む。