アンハッピー・ウエディング〜後編〜

寿々花さんの意外な特技と、俺の悲しいゲームの腕前が明らかになった、数日後。





最近の寿々花さんは、連日ゲームに夢中である。

俺以上に、寿々花さんの方がハマってんな。

良いことだよ。

折角お高いゲーム機をもらったんだから、誰も使わずに押し入れで腐らせるよりずっと良い。

しかも、雛堂が言うには、寿々花さんのゲームの腕前凄いらしいし。

存分に長所を伸ばしてくれ。

ハマってる割には、よくあるヘビーゲーマーみたいに深夜までゲーム漬け、ということもなく。

精々、帰ってから夕食までの時間潰しに遊んでいるくらい。

お陰で、俺はお絵描きだのおままごとだの、早口言葉に付き合わされる必要もなくなった。

その代わり、「悠理君も一緒にゲームしよー」と誘われる。
 
いや、付き合ってあげたいんだけどさ。

雛堂に止められてんだよ、俺。下手くそだからさ。

あれから少し練習してみたんだけど、やっぱりCPUにボロ負け。

才能なくてごめん。本当。

非常に情けないけど、「下手くそw」と罵ることなく見守ってくれる寿々花さんの優しさが、身に沁みるようである。

スマシスの上達の仕方、とか調べて特訓すべきだろうか。

…と、思っていた矢先。



…その日、帰宅すると。

いつも通り、寿々花さんはテレビの前に座って、コントローラーを動かしていた。

の、だが。

今日のゲームは、いつものようにキャラクター同士が対戦しているのではなかった。

『今日から隣の席か。宜しくな』

画面の中には、爽やかな顔をしたイケメンが微笑んでいた。

…。

…誰?

スマシス、なんか新モード入った?