あんなことがなければ私たちは違ってたのかな

「ちょっとやめてよ!」

「じゃ、俺たち付き合っちゃう?」

「はいはい、分かったからせいやも黙ろうか?」

「ほんとみなみは俺の誘惑にはのってくれないなぁ〜」

「そう言いながら本気にされたら困るくせに!」

「ま〜な!俺らは友達だからな!」

「でしょ?」

私たちらしい会話をしながら、先生が来るのを待っていた。

「では、今から出発式を行いますよ〜」

『はーい』

私たちを含めクラスのみんなや他のクラスの人たちまで集合した。




「では今からバスに乗って出発しますよ〜」

「雪乃いよいよだな!」

「なにウキウキしてんのよ」

「ほんとお前らは仲がいいな」

「ま〜ね〜」

なんて2人か声を揃えて言った。

「陽向窓側座るか?それとも、通路側がいいか?」

「俺はどっちでもいいけど...」

「陽向は窓側座りなよ!私通路側だから」

なんて雪乃は言う。

「そ?じゃ俺窓側で!」
「お前らさ、普通、私通路側に座るから陽向も通路側に座ってよ!じゃねぇのかよ?」

「それ私も思った。」

「たいして変わんないでしょ?」

「そうだよな?」

「挟まれる俺の気持ちにもなれよ!」

「いいじゃん!のけ者にされないじゃん」

「翔は窓側だと俺らが話し掛けてもすぐ寝るもんな?」

「そうだけど...」

こんな会話をしているうちにバスは出発していた。

かのんは雪乃と、翔は陽向と話していた。

「翔と一緒に座らなくて良かったの?」

「うん!天宮と座ったって雪乃に話し掛けちゃうと思うから!」

「そう?ならいいんだけど...」

「もしかして、陽向と座りたかった?」

「全然それはないんだけどさ、私だったらこんなに長時間となりで座れる機会ないから行っちゃう気がするから」

「そっか!でも、天宮が隣にきたら多分やばいことになっちゃうから」

「そっか」

「頑張ってね!」

「え?」

(なんのことだろう?頑張る?なにを?)

そんなことが脳内をグルグル回転させていた。

「ねぇ〜ねぇ〜翔?陽向に話したいことがあるから変わってくんない?」

「え?」

「は?」

翔とかのんはハモった。

「だからい言ったじゃねぇ〜かよ!」

「ハハッ、ごめんごめん!」

「全くしょうがね〜な〜」

「かのん頑張ってね!」

雪乃はかのんにこそっと言ったあと、翔と席を変わった。

(この意味で頑張れだったんだ!雪乃はほんとに優しいな〜)

なんて考えていた。

「そっか!雪乃と入れ替わったらかのんと隣になるのか!ラッキー」

「そうだよ〜よろしく〜」

なんてふざけたノリで言った。

(今ラッキーって言ったよね?なにそれ!めっちゃ嬉しいじゃん!)

「かのんはどこが一番楽しみ?」

「私はねぇ〜以外と食べ歩きとかかも!」

「マジで?それはちょっと以外だわ」

「天宮は?」

なんて会話を広げた。

(以外と天宮と話せてる!良かった〜)

なんて考えていた。

「ね?かのんもそう思わない?」