ごはんが食べ終わると、一緒に後片付けをしてからソファで二人でゆっくり過ごす。

 ソファに座ると彼が私の肩を抱き寄せる。
 彼にされるがままにくっつくと、リュカは嬉しそうに笑う。
 私も彼とこうしてくっついていられるのが嬉しいので、自然と笑みが溢れる。

 リュカの顔を見ると、彼もこちらを見ていたようで目が合う。

 彼が体勢を変えて顔を近づけてくる。
 これはキスされると思って目を閉じる。


 なのに、中々彼からのキスがこない。

 ゆっくり目を開けると、彼が私のことを愛しそうに見ていた。
 そんな顔もかっこいいと思うが、彼からのキスを期待していたことが恥ずかしくなり顔を逸らす。


「なんで顔逸らすの?」

「……リュカがキスしてくれるかもって、期待しちゃったのが恥ずかしくて」

「……っ」


 隠しても意味がないと思い、素直に伝えると彼が静かになる。
 どうしたのだろうと思うが、恥ずかしくて彼の方を向けない。

 すると彼の優しい声が聞こえる。


「リーベこっち向いて」

「……無理」

「だめ、こっち向いて」


 彼の言葉を無視してそっぽを向いていると、リュカが私の頬に優しく触れる。
 そして彼の方に顔を向かされる。

 彼の顔を直視できなくて、視線だけでも、と逸らす。