「そうだ、今度一緒にお洋服見に行きましょ。リーベに似合うの選んであげるわ。服屋さんに行ったら、色んな可愛い服があるのよ」


 可愛い服がどんなものかはよくわからないが、見たことがないものが見れるなら楽しみだ。
 すると彼が少しむっとした感じで口を開く。


「服なら俺と見に行くからいい」

「あら、あなたが女の子の服を選べるとは思えないけど」

「確かにそういうのには疎いけど、俺だって選べる」


 二人が言い争ってる。
 彼とキャロルさんは同僚らしいが、こんなに言い合えるくらいには仲がいいみたいだ。
 私の前では、こんな風にむっとした姿は見せないので、そんな彼がなんだか新鮮に感じる。

 キャロルさんといたら、もっと彼の新しい面を見ることができるかもしれない。


「ねえ、三人でお洋服見に行くのは駄目なの?」

「私は構わないけど、リュカはどう?」

「リーベが三人で行きたいならいいけど」


 彼は少し不満そうだが了承してくれる。
 いつ行くのかはわからないが、三人で出かけるのが楽しみだ。

 そんな会話をしながら、穏やかに時間が流れる。
 キャロルさんはごはんを食べ終わると、やることがあるからと言うので別れる。

 休憩の時間が終わるまで、彼と散歩をして過ごした。
 外の景色は見ていて飽きることがないし、彼といると更に景色が色鮮やかに見える気がする。

 好きな人とこうしてゆっくり過ごせることに幸せを感じた休憩時間だった。