「ハヤシライス一緒に食べる前に、シャワー浴びてきていい?」
少し振り向いて綾人に尋ねると。
「あー、俺8時にはここ出なきゃだけど…。」
時計を見ると、もう7時半を少し、過ぎていた。
「…そ。じゃあ、食べてていいよ。時間なったら出たら?」
「…何おこってんの?」
「別に。」
「もっといて欲しかったのに、俺が帰るって言ったから?」
「…違うもん。」
「ふーん?なんで俺が帰るのかも、気にならないの?女のとこに行くって言ったら、どーする?」
「別に?カンケーないし。」
「あ、そ。」
そう言うと、綾人はサッと私から離れて、
リビングのソファの方へ歩いて行った。
背もたれ部分にかけていた
タンクトップとTシャツを身につけている。
今日も、帰っちゃうんだ。
寂しくて、滲み出そうになった涙を堪えながら
「シャワー、行ってくる」
と綾人に声を掛けると、
扉を開けて廊下の方に出る。



