「麗蘭ちゃん、少しは俺に気持ち傾いてきた?」


そう言われ、

心の準備をしていなかった私は

「ええっとお…」

と、曖昧な反応をしてしまう。


そのまま目線を泳がせていると、

先輩はふっと笑って

「まだか。ごめん、急かして。」

と言って、コーヒーカップを持ち上げて一口飲んだ。


「ね、聞いてもいい?」


先輩がコーヒーカップに目線を落としたまま、私に尋ねてきた。


「どうぞ。」


「麗蘭ちゃん、綾人くんの事、好きだったりするのかな?」



ドクン、と心臓が跳ねた。



周りの人にもバレてるの?


学校ではあんなに塩対応を見せているのに?


「えっと…どうしてそう思うんですか?私、割と彼には塩対応で…。」


「あ、いや。今日の映画見てたらさ、やっぱり幼馴染同士って繋がりも深いし、好きになりやすいのかなって。単純に、そう思っただけ。」


…なるほど。


「彼は女たらしですよ?」


「そうかもしれないけど、麗蘭ちゃん、本当はどう思ってるの?」


「え?」


「仮に、綾人くんが他の女の人をすっぱり切って、麗蘭ちゃんのことを好きって言ったら、麗蘭ちゃんはどうするの?」


「どうって…」


他の女の人をすっぱり切る?


そんなこと、彼はできるのだろうか。


現に、彼は私を抱いて、

その後も他の女のところに行っているようだし。


「…女たらしは、嫌いです。」


「…そっか。」


それ以上、先輩が追及してくることはなかった。