「…すごい話だったな。観てよかった。」
隣でそう呟く先輩に思わず顔を向ける。
先輩も私に顔を向けて、言葉を続けた。
「…そして、すごい泣いてたね、麗蘭ちゃん。目、真っ赤だよ。」
「え゛。そんなに酷い顔でずか?」
「でずか、って…」
クククッと、小さく笑う先輩。
「ちょ…笑わないでくだざいよ…。」
「いや、ごめん。泣き顔が可愛くてさ。」
「え゛。」
こんな鼻水と涙でぐちゃぐちゃな私、
可愛いって言ってくれるんですか。
なんとも…ありがたい。
「出よっか。」
そう言って立ち上がる先輩。
続いて私も立ち上がった。
「あの。私、ちょっとお手洗いに…」
「ん、いいよ。俺も行くから、売店前で待ち合わせよ。」
「はい。」
そう返して、先にお手洗いに向かう。
手洗い場の中にあるメイクスペースで、化粧の手直しをした。
涙の跡が付いた顔。
しっかりとファンデを塗り直し、アイシャドウとチークも塗り直す。
最後に口紅を少し塗って、仕上げた。
メイクを終えて売店の前にいた先輩と合流すると、そのままパスタ屋さんに向かった。



