「麗蘭ちゃん」


後ろから声を掛けられ、振り返る。


「高坂先輩。お疲れ様です。」


私がそう応えると、

高坂先輩は嬉しそうに近づいてきて

「隣、いい?」と尋ねてきた。


コク、と私が頷くと、


先輩は椅子をひいて、腰かけた。


「何してたの?」


「次の講義まで時間があって。ちょっと時間潰してました。」


「そっか。じゃあ、デートのお誘いしても、いいかな?」


驚いて、思わず目を見張る。


そんな私の顔を見て、高坂先輩が柔らかく微笑んだ。


「先輩、ホント、スマートですよね。」


「慣れてるように感じる?」


「まあ…多少は。」


「そっか。まあ数年、麗蘭ちゃんよりは長く生きてるわけだし。それなりの経験も重ねてきてるからね。慣れている(ふう)なのは許してよ。」


「慣れている風、というか…大人だなって思っただけです。褒め言葉のつもりでしたよ。」


「そっか。じゃあいいのか。」


ふっと笑う先輩は、相変わらず爽やかで好感が持てる。