「まあ、いいんじゃない?私も、綾人の遊び相手の一人ってことで。その方がこれからも気兼ねなく会えるでしょ?」
「なに言って──」
「いつも相手をとっかえひっかえしながら、遊んでるじゃん、綾人。だからさ、私もその1人でいいよってこと。そーいうわけで、これからも今まで通り、気兼ねなく会おうね。」
なんてことを口走ってるんだろ、私。
これじゃあ私も、ただの軽い女だ。
でも、
麗蘭以外の人の方が好きだから、もう今日みたいなことできない、
なんて言われたら、
それだけで私は、絶望してしまうだろう。
綾人となら、身体だけの繋がりでもいい。
せめて、その繋がりだけでも持っておけば、
私はまた、綾人からの愛情を感じる時間を得られる。
それが例え、数時間という短い間であっても。
その時間だけは、彼から全力で愛を向けてもらえる。
その機会だけでも、確実に手に入れておきたいと、
必死だった。
「…わかった。」
そう、綾人から返事をもらって
私は内心、ホッとしていた。
「今日は帰る。…また、明日ね。」
そう言うと、
私はバックを持って足早に玄関へ向かい、
彼のアパートを立ち去った。
帰り際、炊き立てのご飯の香りが鼻を掠めたけど、空腹感はちっとも感じられなかった。



