みかん箱より2周(ふたまわ)りくらい大きな段ボールの中を、

綾人と一緒に覗き込む。


綾人はしゃがみ込んで

「これなんか、美味そうだぞ。」

って言いながら、

私にスープの入ったパウチ食品を見せてくる。


「ホントだ!美味しそー!」


「麗蘭、今日もう用事ないなら、食べて帰る?」


「うん。そうしよっかな。」


「じゃあ、メシ、炊くか。ソファに座って待っといて。」


立ち上がって、炊飯器にご飯をセットしに行く綾人。



キッチンに立つ彼の背中を見ているだけでドキドキする。



改めて見てみると、なんだか体格が良くなってる気がした。



「綾人、身体でも鍛えてるの?なんか、ガタイがよくなった気が…。」


「おう。たまにジム行ったり、家で筋トレしたりしてるからな。」


「すご。モテる人も大変だね。」


「別にモテたいから鍛えてるワケじゃねえし。」


「そうなの?細マッチョがモテるからかと思った。」


「麗蘭、細い方が好きなの?」


「ううん。私は細いより、胸板厚い方がいいかも。ゴリマッチョとまではいかないけど…程よい感じの。」


「へぇ。」


炊飯器のスイッチを入れて、私の方へ歩み寄ってくる、綾人。