「うん。麗蘭ちゃんの初めての、彼氏になれるように、頑張ってみようかなって。」


そう言うと、高坂先輩が私の方に顔を向けてにっこり笑った。


「…え?」


花火の火が小さくなって、消えてしまったけど、

驚きすぎて、私はそのまま、固まってしまった。


「あれ、びっくりした?」


「は、はい…。」


「そっか。俺的には結構、みんなでメシ食べる時に隣に行って話しかけたり、イベントの時も声かけるようにしたりして、アピールしてたつもりなんだけどな。」


確かに、言われてみれば…そうだったような、気もする。


「すみません、全然気付かなくて…。」


謝ると、先輩は、あははっと笑った。


「いいよ。そうやってあんまりがっついてないのが、麗蘭ちゃんらしくていい。そういうとこもいいなって思って見てたんだ。」


「がっついてないとこが、ってことですか?」


「まあ、言い方変えると、男に媚び売ってない感じがいいなって。自然体で皆と話してるし、イベントの時も準備とか片付けとか、積極的に動いてくれて。でも別に周りからの目を気にしてって感じではなく、行動してる感じだから、好感持ててさ。楽しむ時は目一杯楽しんで、笑ってくれるし。そんな麗蘭ちゃん見てたら、いつの間にか好きになってたよ。」