甘の弱な君が好き【完】


「着いたぞ」



「わぁ、綺麗…!」



見上げると満点の星、下を見れば輝く都会のネオン


自然の力と人間の力が融合したような、最高の夜景が広がっていた




「いいだろ?落ち込んだ時、ここの夜景見ると元気出んだよ」




「そうなんですね」



こんないい場所なのに、人は1人もいない。


さっき落ち込んでいたことなんて吹き飛んでしまうほど、綺麗な景色


澄んだ空気



「俺の秘密の場所。」


隣へ並んでそんなことを言う



「…そんな大切な場所、私に教えちゃっていいんですか?」



「今日ずっと様子おかしかっただろ。なんか落ち込んでんじゃねぇの?」



照れたように不器用に投げかけられる視線に心臓が止まりそうになった



ただのパシリである私に元気がなかったことなんて、気にもしなくていいはずなのに



元気付けるために、わざわざここまで?