甘の弱な君が好き【完】


現役高校生がこんなバイクを買えるなんて流石としかいいようがない


足長いな…すごく絵になる。


「早く」



そう言われて、急いでヘルメットを被って北浜さんの後ろの席へ跨ってみる。


あっ、あってる…?


ヘルメットってこんな重たいんだ



「もっと、こう」


私の手を掴んで、自分の腰へ当てる北浜さん


ライダース越しに感じる密着度に、有り得ないくらい心が高鳴る


「っ、」


こんなの後ろからハグしてるようなもんじゃんっ…



「ちゃんと掴まれよ?」


じゃなきゃ死ぬぞ、ってイタズラに笑う



ああ、わかる。



私完全に心持っていかれている。



北浜さんが私の心を支配して困るよ。



走り出したバイクは、都会を抜け、真っ暗な山道を登った。


やっと止まったバイクは、山の上、都内を見下ろすことができる丘だった。