甘の弱な君が好き【完】


本当に10分ほど経った頃、北浜さんから入ったメッセージ


相変わらずわけは分からないまま、マンションのエントランスを抜けて外へ出ると大きなバイクが止まっていて


「よう。」



フルフェイスのヘルメットを取って、北浜さんの顔があらわになった


乱れてる髪がどうしても色っぽくて、こんな時間に会えることなんてないから心臓が騒ぐ


「どうして…」



「ほら、お前も被れ」



ハンドルにかかっていたもう一つのヘルメットを投げられて、慌ててキャッチする


「バイクの免許持ってたんですか!?」



初耳だし、すごく大きいバイク…



「持ってるから来たんだよ。早く乗れ。行くぞ」



「どこへ!?」




「いいから、ぎゃーぎゃー騒ぐな」



混乱し続ける私にお構いなしに、バイクへ跨りエンジンをかける北浜さん