甘の弱な君が好き【完】


…かっこいい



でも、あまりにも遠い。


物理的にも、精神的にも。


ああ、本当にアイドルなんだ。



照明が暗くなり、ダークな曲調の音楽


重低音が心臓にダイレクトに響いてくる



「さあ、始めようかperfect game」



妖艶な笑みと共に現れた関目さんは、しなやかに踊って、


「voltageはmaxでspecはそのまま突き進め
遠慮なんていらないtimingは考えないで思いのまま我儘に」


いつもは可愛い全開の樟葉さんでさえ、艶やかな声で歌う



「まだまだまだまだ足りないだろう?」


踊る2人の間から出て来た、大人びた表情をしするセンターの北浜さんは私の全く知らない顔をしていて


マゼンダの照明が北浜さんの美しい顔に、影を作って照らす


気がつけば、普段見せないその表情に釘づけになっていた。