甘の弱な君が好き【完】


「…いいって言ってんじゃん」


めんどくせぇし、と相変わらずの無気力ぶり



「だめです!一円に笑うものは一円に泣く!」



こういうのはしっかりしておかないと。



「…お前ってほんと頑固だよな。」



そう言いながら、差し出したお金を受け取る北浜さん。


しっかり者、って言ってくれればいいのに。



そんな時、



「橙真〜」


どこからか聞こえて来た、聞きなれない声



「あ、紫苑さん。」



そう反応した北浜さんの視線の先を辿ると、高そうな赤い車から顔を出してこちらに手を振ってる男の人がいた。



あ、あの人は、moreのリーダーである関目紫苑だ。確か北浜さんと樟葉さんより、三つ歳上らしい。


確かにすごく大人っぽい。


オーラも色気もすごくて、眩しい。



「ありゃ、その子はもしかして」



私のことをとらえて嬉しそうに笑う関目さん。