甘の弱な君が好き【完】














いつも通り走る渡り廊下



今日のご要望は明太子フランスパンとカレーパン、チョコデニッシュ


その三つを抱えて、応用室へ入る。



「やっほ〜、藍ちゃん」



いつも通り緩く微笑む天使の樟葉さん



「腹減った」



…いつも通り横柄な態度の北浜さん。



そんなはらぺこ北浜さんの元へ行きパンを渡す。



「もうこれで食堂のパンは制覇しましたよね!」


そうパシリを続けて1ヶ月ほど経った今日、やっと食堂のメニューを制覇したのだ。


この学校食堂メニュー豊富すぎでしょ!


「だからってまだ傷が治ったわけじゃねえけど」


ほら、と強調される頬の傷


…もうほとんど消えかかってるじゃん。



言われないと気づかないほどには薄くなってるのに。


「…鬼」



「あ?なんだと?」



綺麗に整えられた凛々しい眉毛がピクッと吊り上がる


ああ、恐ろしい王子様系アイドルの本性だね。