甘の弱な君が好き【完】


「てへ」



『てへじゃねぇ!俺が怒られんだろ。』



とお怒りの声が鼓膜にダイレクトに響く



あまりの声の大きさに耳に当てていたスマホから距離を取った



「すみません…」



『くそっ、教室の窓から顔出せ』



「へ?」



教室の窓?



『誰にも気づかれないようにしろよ』



その言葉に一応周りのクラスメイトの様子を伺い、教室の窓を開ける。



今ならみんなお喋りに夢中で誰もこっちを見ていない。



「え、」



窓から覗いて下を見てみると、スマホ片手にこちらを見上げている北浜さんの姿


軽い茂みになっていて周りからは見えないはずだけど、他の誰かが上から覗いたらすぐバレるのに。