甘の弱な君が好き【完】


「ケチ…じゃあ樟葉さんに借ります」



あの天使の樟葉さんなら貸してくれるはず



「緑は今日休みだぞ」


どこか嬉しそうな顔でいう北浜さん



ほっんと性悪!私が困ってるの見て楽しんでるんだこの人!



樟葉さんは最近ツアーのことで本当に忙しいらしくて、ずっと来れてないのかな?



「あー、藍先輩だ!こんにちは」


応用室の前を通りかかったのは、きらっきらの笑顔を振りまく青くん



「青くん!今日も元気だね」


メンタルがやられてしまっている私には眩しいよ…爽やかだね



「はい!藍先輩は元気にないみたいですけどどうしたんですか?」



「体操服忘れちゃって、今北浜さんに貸してほしいって言ったら断られて…」



ちらっと北浜さんを見上げてみるけど、知らん顔


薄情者…



「俺ので良かったら貸しますよ?使用済みですけど、今日卓球だったんで匂いはしないはず」



『教室取りに行かないとですけど』って微笑みかけてくれる