「こんにちは、あの…北浜さんお願いがありまして」
「なんだよ」
そ、そんなみるからに警戒した顔しなくても…
「体操服貸していただけませんか!」
顔の前に両手を合わせて懇願!
「忘れたのか?」
「はい…」
そんな哀れな目で見ないでくださいよ…
「間抜けなやつ。他のクラスのやつに借りろよ」
考える様子もなく、あっけなくそう冷酷な言葉を放つ北浜さん
…この冷酷王子!
「転校して来たばかりで友達はみんな同じクラスなんです。だからお願いします!」
「嫌に決まってんだろ。なんでお前が着た臭い体操服を俺が着ないといけねぇんだよ」
臭いなんて…乙女に向かって…
別にどっぷり汗をかくわけでもないのに。
眉間に皺を寄せて、腕を組んで、すっごい嫌そうな顔をして言うんだもん。



