甘の弱な君が好き【完】


うちの家はもともとみんな裁縫が大好きだから、私も昔おばあちゃんに教えてもらって作ったお守りをずっと大切に持ってる。



「へー」


『お守りとか手作りできんだ』と興味がある様子


「俺も欲しい」


私のお守りをじっと見ながら、そうぽつり呟かれた言葉



「え?いや、北浜さんが持つようなものじゃないですよ」


もっとちゃんとした神社とかのお守りを持っていたほうがいいに決まってる。



こんな手作り感のある本当にご利益があるかどうか分からないお守りなんて、見合わないでしょ


「俺がほしいって言ってんだよ。藍のお守り」


私が否定すると、眉間に皺を寄せてそういう


今、藍って名前呼ばれた。



「っ、…藍って」


こんな時に名前を呼ぶなんて、ずるい。



「なんか問題でもあるか?」



「ない、ですけど…」



「藍は、藍だろ」


そういって満足げに微笑む北浜さんに、なんともいえない熱い気持ちが込み上げて思わず聞こえないふりをした。



な、なんなのよ、もう。