甘の弱な君が好き【完】


「はい、どうぞ」



「……」



まあ少し気に入らなさそうにしてるけど、気にしない。



「……あれ、樟葉さんお休みですか?」


いつもニコニコしていて、癒しの樟葉さんの姿が見当たらない

 
「今日あいつは撮影」



「あ…そうなんですね。」



ってことは2人きりか。



なんか、気まずいというか、構えちゃうかも…



「早く食おうぜ」


そんなこと思っているのは、もちろん私だけのようでなんら変わらない北浜さん


「はい」


北浜さんが座っている対面に座る


人気アイドルと学校の教室で2人きりという謎空間


…まじまじと見つめても、本当に綺麗な顔してる。



まつ毛長いし、毛穴とか存在してないよなぁ。



これってあり得ないくらいの特等席だよね。



「あ、ボタン取れかけてますよ」



ワイシャツの袖のボタンがぶら下がって取れかかっていた。



意外と抜けてるんだなぁ



「あー、別にいいんだよ」


ちらっと確認だけして、嬉しそうにメロンパンを食べすすめる北浜さん。