甘の弱な君が好き【完】


「芸能コースもいわゆる親父のコネっすね」



「凄いね!」


親が有名人なんて、きっと私たちが知らない世界をたくさん見てきたんだろうな。


羨ましいなぁ。




「凄いのは親父で、俺は何一つすごくないんすよ。今までもらった仕事も全部、親父の伝手なんで」



悔しそうに唇を噛み締める、青くん



もしかしたら茶谷秀一郎がお父さんってことが、青くんにはコンプレックスなのかもしれない。



「って、ま、まあ。て、俺の話はいいじゃないすか!他の話ししましょう?」




苦笑いでそういう青くんに、私たちはこれ以上何も言えなかった。




「あ、そういえば藍ちゃん話あるって、言ってたよね?」


青くんのが衝撃で忘れてたわ、と付け足す黄子ちゃん。


私もそんなことすっかり忘れていた。