甘の弱な君が好き【完】


「…芸能コースなのかもだけど存じ上げてない」



申し訳ない、と気まずそうにいう黄子ちゃん



「東山青っていいます!一応芸能コースなんすけど、俺そんな有名じゃないんで!ほぼ一般人っす!」



そんな気まずい雰囲気を吹き飛ばすくらいの勢いと声量で、そう一蹴する東山くん。


なんか、いい子だなぁ。



「てか、藍ちゃん芸能コースの後輩となんてどうやって知り合ったの…?」


あ、どうしよう。


ぶわっと湧き出る冷や汗、動揺を隠すのに必死



「俺と藍先輩は、とう、」



「ああああ!!!東山くん!ちょっと黙ろうか!?」



慌てて、東山くんの口を塞ぐ



今絶対『橙真さん』って言おうとしたよね!?


「ふ、普通にたまたま知り合っただけだよ!」



ここで、言うわけにはいかない!



ちゃんと家でカミングアウトするって決めてるんだから。



「ふーん、そうなんだ!」