甘の弱な君が好き【完】


「俺は、そんなこと思いませんよ?」



爽やかに弧を描きながら、笑いかけてくる



「可愛いですね。先輩?」



「っ、」


な、なにこの子!


本当に年下なの?


可愛い、なんて言い慣れていない私は分かりやすくしどろもどろな反応をしてしまう。


絶え間なく暴れる鼓動



「あっ、あの!ふ、2人はお知り合いですか?」



誤魔化すように出てきた疑問



「こいつは東山青(ひがしやませい)高校一年。芸能コースはホームルームを一つの教室で集まってするからみんな知り合い」



「橙真さんとは席が隣で、マブダチです!」



「てきとーなこと言うんじゃねえ」



「相変わらず冷たいっすね!」



…この冷酷な雰囲気の北浜さんに嫌な顔ひとつせず、ハイテンションで返事ができるなんて東山くんすごい。


「先輩、お名前は?」



「四宮藍」



「なんで橙真さんが答えるんですか!!まあいいや。藍先輩、俺とも仲良くしましょうね?」


…なんだろうか、この少しチャラくて軽い雰囲気


まあ、北浜さんよりは断然優しくていいけど。


「橙真さん人使い荒いでしょ?パシリ、いつでもお手伝いしますよ。」


必殺、爽やか笑み。うう、眩しいっ



北浜さんや、樟葉さんとはまた別のかっこよさを纏った人だ。