甘の弱な君が好き【完】














そんなこんなでパシリに認定されてから数日。



黄子ちゃんに言えないままだし、黄子ちゃんとお昼は食べられないし、黄子ちゃんとの時間は減るし良いことは一つもない。


ただただ応用室で3人で私が買ってきたお昼ご飯を食べる日々。



顔面偏差がおかしい2人と同じ空間に押し込められて、毎日窒息しそう。



今日はチョココロネと、ピザトーストのオーダーが入って食堂でゲットしてきたところ。


あ、もちろんちゃんとお金は受け取ってるよ。



もうすっかり慣れた手つきで、芸能コース棟の応用室の扉に手をかけた瞬間、



「あの!」



その透き通った声に振り返ると、茶髪の男の人が立っていた。



「私…?」



スリッパがチェック柄ってことは一年生だよね…?