北浜さんが出ていった扉の振動でカサッと音を立てたビニール袋
中を覗いてみると、
「っ…」
私がいつも飲んでいるリンゴジュースと、
ハッピーバースデーとプレートが飾られたショートケーキだった。
やっぱり、このまま他人になるなんて絶対に嫌だ。
気がつけばパジャマのまま必死に北浜さんの後を追っていた。
わりとすぐに追いかけたのにマンションの廊下にもエレベーター前にもいなくて、階段で急いで降った。
エントランスでやっと見つけたその背中
「北浜さん!!」
私の大きな声に肩を上げて目を丸くして振り向く
「お前っ、何してんだよ」
「あのっ、また見かけたら話しかけてもいいですか?ファンとして!」
好きって気持ちを頑張って推しにするから。



