「ありがとうございます。ちゃんと振ってくれて、嬉しいです。」
これで、いいんだ。
すぐに諦められるわけじゃないけど、北浜さんは約束を破った私にもちゃんと向き合ってくれた。
やっぱり今はまだ大好きだ。
「…北浜さんは誠実ですよね」
「そんな…ことねぇだろ」
目を逸らして、考え込むような表情を浮かべる
期待を持たせずにちゃんと向き合って、断ってくれたじゃん。
弄んだり、利用したりできるはずなのにそうしないのは優しさと誠実さだよ。
「…じゃあ、俺行くわ。お大事にな」
「はい、ありがとうございます」
そう言って、私に背を向けて出ていく背中を噛み締めるように見つめていると、
「あ、あと、誕生日おめでとう」
一瞬だけこっちを見て微笑んで、そのまま出て行った。
心臓が止まりそうだった
あんなのっ…ずるい
誕生日だってなんで知ってるの。



