ましてや一般コースの女子である藍を、アイドルの北浜橙真が連れているなんて広まったら、学園中どうなることか。
でも今は、こいつが優先だ。目の前で倒れたんだから。
もし藍に何かあったら、怖くて仕方がない
俺はただひたすら、藍が助かることだけを考えて、軽すぎるこいつを背中に乗せて、渡り廊下を渡って一般コースへ踏み出した。
橙真!なんて呼ぶ声がしたけど無我夢中だった。
…こいつ軽すぎるだろ。ちゃんと食べてんのかよ。
苦しそうに息をする音が聞こえてきて、歩く足が速まる。
初めて踏み入れる一般コースの廊下
幸いにも予鈴が鳴ったあとだったから、人はいなかった。
確か…保健室ってあっちだよな?
「北浜さん…ごめんなさい…」
そう呟く声がした
なんで謝ってるのか分からない。



