甘の弱な君が好き【完】


その瞬間、予鈴が鳴って、





同時に藍は力が抜けたように倒れた。


誰もいない廊下で、バタッと体が鞭打ちになる音がした



「あっ、おい!!」


理解する前に体が勝手に動いた。


急いで駆け寄って、藍の身体を起こして支える。



「ちょ、藍ちゃんっ」



慌てた様子で俺の後を追いかけてくる緑



「こいつ高熱だ…」


顔色だって悪いし、汗もかいてて、息も荒い。


相当しんどかったんじゃないのか?



久しぶりに見る藍はどうも前より痩せているように見える。



「どうする?黄子ちゃん呼ぶ?」



スマホを取り出してそういう緑



「いや、早く保健室連れてかないとだろ」



「でも僕たちが行ったら、」



「そんなこと言ってる場合かよ!…緑は教室戻れ、俺1人で保健室まで運ぶから」


怖気付いた態度を見せる緑に、余裕がない俺は腹が立った。


確かに俺たちは保健室にすら行ったことないし、一般コースの奴らに会いでもすればパニックになるかもしれない。