甘の弱な君が好き【完】


応用室を出て、緑と2人で歩く。走った方がいいんだろうけど、このゆるさが俺たち。



「…ねえ、あれって、藍ちゃんじゃない?」



一般コースと芸能コースを繋ぐ渡り廊下、


つまり芸能コースの入り口を通りかかった時、緑が立ち止まって一点を見つめてそう言った



「は?何言って…」



いるわけないだろ。



それにこんな予鈴ギリギリに。



芸能コースの廊下にさえ、予鈴ギリギリすぎて人はいない。



ついに藍の幻覚まで見えるようになったのかこいつは。




半分呆れながら緑の見つめる先へ視線を送る。



「っ、」



その横顔を見て、全身が熱くなった



長くて艶めいてる髪、立体感のある高い鼻、綺麗にカールされたまつ毛、白い肌



本当に藍だ。




なんで?