「私ね、あれからたくさん考えたんだけど、パシリをクビって言われただけじゃん?だから友達とかファンになっちゃえばいいんじゃないかな?」



「…え、」



「まだフラれたとは、言い難いでしょ?」


そういう考えはあまりなかったな…


確かにパシリをくびって言われただけではあるけど…




「あのスーパーアイドルが藍ちゃんのことパシリとしてでも側にいることを許可したんだよ?少なくとも他の人よりは特別でしょ。」



それは、ただ私が北浜さんのことを知らなくて『面白い女』枠だっただけで、ずっと揶揄われていただけ。


トクベツ、なんてときめく響きのものだったのかな…?


「友達や、ファンになりたいって言ってみたら受け入れてくれないかな?」



じゃあまた話せるじゃん、と安心させるようにはにかんで見せた黄子ちゃん


「そうなのかな…」



「ほら、うじうじしてないで行くしかないでしょ!」



俯く私の背中を軽く叩く


…うん。そうだよね。



私やっぱり北浜さんとこのままは嫌だ。



もうパシリではいられない。でも、その他の関係なら受け入れてくれるかもしれないよね。



「ありがとう、黄子ちゃん…!」



パシリじゃなくていいから、なんらかの関係でいたい。



そう言って、屋上を駆け出して応用室へ走った。