甘の弱な君が好き【完】




やってしまったかもしれない。


帰る前にこんな暗い雰囲気のままじゃダメだと、気分転換するために1人で散歩に出たんだけど、


見事に道に迷ってしまった。



それに携帯を別荘に置きっぱなしにしてきてしまって、帰り道もわからないし、人もいないし、困った。



…慣れないことするからこんなことになるんだ。



海辺を歩いていたはずなのに、いつの間にか茂みの中。



周りは緑だらけだ。



「うーん…」



そういえば右から来たような。



しばらく歩いてみたけれど、緑は深まるばかり。



波の音すら聞こえない



もうどうしたらいいの、と途方に暮れてしまう。



「い…ぁ」



緑の奥から聞こえてきたその声



…何か変な動物?



草木がザワザワとけたたましく揺れて、不気味



身構えて立ち止まって声の方を見ていると、現れたのは、



「え、」




「藍!」




「北浜さん…」



必死な顔をした北浜さんだった。