甘の弱な君が好き【完】












橙真side



「うわー、綺麗だねー?」



手持ち花火を持って隣で甘ったるい真白の笑顔。香りまで甘い。


自分のこと可愛い、ってわかっててあざとくて俺はやっぱり得意じゃない。


まあでも昔からの幼馴染だし、親同士も仲良いし、そんなに無碍に扱うわけにもいかない。


会うのだって年に一回だし、まあいいかって感じ。


そんなことより、さっきから気になるのは俺のパシリ、藍のこと。


やけに元気がない。いつもはうるさくて、よく笑うくせに。


「夏って感じだね、藍ちゃん」



「……あ、そう、ですね」


話しかける、紫苑さんにもこの態度


まるで上の空じゃねえか。


ずっと、下を向いて、藍らしくねぇ。



「ねえねえ橙真くん覚えてる?昔、花火怖い〜って泣いてたの」


気がつけば藍を見つめていた俺の肩をツンツンと突いてくる真白


その上目遣い、やっぱり苦手だわ。