うまく笑えてない笑顔でそういう私に、樟葉さんは困ったように眉を下げて微笑む
そしてそっと近づいて来て、
「ずっと思ってたんだけど、藍ちゃんって橙真のこと?」
誰にも聞こえないように、小さな声でそう問いかける
「…はい。好きです」
「やっぱり…ね」
いつも三人でご飯食べてるし、バレバレだったんだねきっと。
樟葉さんはずっと気づいていたんだろう。驚いたような表情は一つもしなかった。
「…これ、樟葉さんからのプレゼントってことにしてもらえませんか?」
「え?でも、僕もう渡しちゃったし」
「そこはてきとーな理由つけてお願いします」
こんなこと、樟葉さんにしか頼めない。
せっかく買ったんだし、勿体無いもんね。
「本当にいいの…?」
「よく考えたらおかしいですよね!ただのパシリが出過ぎた真似をしました」
リュックには罪はないし、デザインはあまりにも男っぽすぎるし、渡してもらうのが一番いいよね
「藍ちゃん……」
私よりも辛そうな表情をした樟葉さんは、黙ってそれを受け取って、『わかった』と言った。
これで、いいんだ。



