お昼休み



いつも通り慣れた手つきで応用室の扉を開ける



「お待たせしました〜」



応用室にいたのは、北浜さんのみ。


昨日9時に解散して、また今日も会えるなんてちょっと嬉しい。


…なんて、浮かれすぎだよね。


あれ、今日は樟葉お休みなのかな?



「おい。」



しかも北浜さんとんでもなく機嫌悪そうだけど…



な、なんで?


ちゃんと、北浜さんが一番好きなパンを買って来たのに。私が両手に抱えてるの見えない?



「何、ヘラヘラしてんだよ」



いつも以上に低い声



怒りながら迫ってくるもんだから、私はあれよあれよと壁へ追い込まれて、気がつけばすぐ目の前に迫る北浜さんのその美しい顔



「北浜さん…?」



目の前で揺れる透明感のある澄んだ瞳がさらに私を戸惑わせる


どうしてそんな苦しそうな顔なの…?



「昨日、青とデートしたんだってな?」



出て来た言葉は予想外だった



「なっ、デートなんて言い方っ」




「俺が待ってる間に、青といて楽しかったか?」



ああ、そうだ。ずっと待たせていたのに、私が青くんと遊んでいたから怒ったんだ。


貴重な北浜さんの時間を間違いなく奪ったんだから。