「…まあ、そうだな」
「それに今から携帯届きますよ?」
受けとらないと、って先を歩く藍は、その長い焦茶の髪を揺らして笑いながら振り返る
制服ではなく、いつもとは違う雰囲気のこいつに心がずっと揺れていた。
「ああ…じゃあ帰るか。」
「家で、ゆっくり休んでください」
そんな労りの言葉まで。
いつももうちょっと棘がある気がするのに、やけに穏やかな気がするのはなんでだ?
いや、それは俺も同じか。
「藍」
「っ、はい」
「ありがとうな。」
びっくりしたのか、目をまん丸にして固まる藍
「どうしたんですか、北浜さんがそんなお礼言うなんて明日は雪ですね!」
いたずらっ子のように無邪気な笑み
「てめぇ…」
やっぱり高い煽りスキルを持ってやがる
なんだよ、俺がお礼をいうのがそんなに珍しいのかよ
「ふふっ、嘘ですよ!こちらこそ、ありがとうございます」
「っ、」
あー、やっぱりこいつは笑顔が一番似合う。
なんだよ、調子狂うな。



