「…さてっ!帰るか!!」 朱美がそう言って立ち上がる。 あれから、あたし達は時間を忘れ、ずっと話に夢中になっていた。 気付いた時には、もう辺りが薄っすらと暗くなり始めていた。 ひっそりとした、夕暮れの教室を後に― あたし達は、靴に履き替え校内を出た。 いつもは部活動に精を出している生徒の姿があるはずの校庭にも、もうあたし達の他には誰も見つからなかった。 .