芸能人の行きつけの喫茶店 ~アイドルの話~

宗さんがトワイライトに戻って来てから、トワイライトはまたお店の常連さんに戻った。

その時に宗さんにお礼を言われたけど、私は何もしていないから、複雑な気持ちだった。

「はぁー、緊張するんだけどー」

「お前、最近ずっとそればっか言ってるよな」

「確かに、それに反してリーダーはワクワクしてそうだけどね」

「そりゃあね、活動休止でリスナーさんを心配させちゃったから、ライブで絶対に恩返しする!」

拳を天井に突きつけてそう宣言する宗さん。

そのままその拳をメンバー一人ひとりに向けて、にっと笑う。

「最高の舞台にしよう!」

宗さんの突然の言葉に、みんな驚いていたけど、宗さんのように拳を出して突き出した。

「「「おう!/うん!」」」

そんな光景を見ながら、私は、この関係がいつまでも続けばいいのにと、願ってはいけない願いを抱いてしまった。

+ + +

ライブ当日。

関係者席で見ることになっていた私は、トワイライトのメンバーとライブ会場に向かっていた。

少し前まで緊張してたリオンも、当日にもなると楽しみの方が勝つのか、さっきからずっとニコニコしている。

「それにしても、マシオが寝坊してくるなんてね〜」

「……うっ、ごめんなさい」

宗さんがマシオさんの方を向いて、私達も自然とマシオさんに目が行く。

なんでも、ライブが楽しみすぎて寝られなかったらしい。

当人はとても気まずそうに肩を縮こませていて、これから何万人もの人の前に立つ人だとは到底思えない。

「ま、まあまあ、それで言うと優吾さんもアウトですし……」